Term |
Kanji |
Explanation |
アラ神 |
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日本海沿岸を中心にして日本列島全域の沿岸に見られる海神。一般に荒ぶる神、祟りやすい神とされている。蛇の姿をとることも多い。 |
アレーウンパナ |
洗い御花 |
神に供える花。 |
イザイホー(イジャイホー) |
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久高島で12年に一度行われる祭礼。神に仕える神女(ナンチュ)の認証式で、ニライ・カナイの神に対して行う。30歳~41歳の人妻が「七つ橋」という急造された橋を渡らされる。貞節を守らなかった女は橋から落ちて死ぬと言われ、無事に渡ることができた者は名誉ある「テリー神 |
イチマブイ |
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生き霊。生きている人間の霊。 |
イビ |
威部 |
御嶽(ウタキ)の中で最も神聖な、神が降り立ち、神と交流できる場所。司だけが入ることができる。 |
イマメーヌユタ |
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死んで間もない人の判事を得意とするユタ。 |
ウカー/カー |
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井戸。御嶽には多くの場合ウカーがある。 |
ウガンジュ |
拝所 |
聖地にある拝むところ。 |
ウガンブスク |
御拝不足 |
先祖に対する供養が足りないこと。いろいろな災いが起きる原因とされる。 |
ウシメシ |
御示し |
神のお告げ。ユタはこのお告げを「判じ」として依頼者に告げる。 |
ウタキ |
御嶽 |
村落の守護神がいる聖域。祭りでは中心の場所となる。沖縄本島ではムイ、ウガン、グスク、宮古島ではムイ、グスク(スク)、八重山ではオン、ウガン、ワー、スクなどと様々に呼ばれているものの総称。普通、御嶽にはクバの木がある。 |
ウチカビ |
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黄色い紙にお金の型を打ち込んだもの。死者のための後生(グソウ)のお金とされる。 |
ウミチムン |
御三つ物 |
火の神(ヒヌカン)のこと。 |
ウヤファーフジ |
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先祖のこと。 |
カミヤー |
神家 |
部落の中で神事の中心となる家。 |
カミンチュ/カンノプトゥ |
神人/神の人 |
カミゴトを行う人。ユタと同義語としても使われる。カンヌプトゥは宮古諸島での呼び方。 |
カンカカリャ |
神掛り屋 |
宮古諸島でユタのこと。ムンス(物知り)などとも呼ぶ。 |
キジムナー |
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森の老樹(ウスク)などの根本に棲む木の精霊。 |
グスク |
城 |
昔の権力者たちの城のこと。 |
グソウ |
後生 |
久高島にある谷間の共同墓地のこと。風葬によって残った骨を12年に一度集めて、洗骨して瓶に納める。 |
サーセジ |
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霊力 |
サーダカ |
性高 |
生まれながらに徳が高い人間であり、神人(カミンチュ)やユタになることがある。カンダカ(神高)とほぼ同義語。「サーダカウマレ」または単に「生まれ」とも言われる。 |
サンジンソウ |
三世相 |
前生の因果応報や吉凶判断を占筮(ぼくぜい)の方法で説いた中国の仏教書のこと。沖縄では、その書を用いて易断をする者の意味で使われる。広義でユタと呼ばれる場合もある。沖縄では、ユタに見てもらうまでもない日常の相談事などで三世相のところへ行くことが多い。 |
シニマブイ |
死霊 |
死んだ人間の霊。 |
シンクチ |
洗骨 |
死後3年たってから、棺に収めた遺体を取り出して洗い、壷に納める。 |
スンガン |
死神 |
死に神。死霊。 |
スンガンカカリァ |
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宮古島地方の方言。スンガン(死神・死霊)が憑依して語る霊能者のこと。 |
チヂウリ |
継降り |
ある者が自分の先祖の誰かとまったく同じ性格や運命を引き継いでいる状態をいう。先祖の生まれ変わりと解釈されることもある。 |
チヂブン |
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ユタについている自分と関係が深い神霊や先祖霊などの守護霊のこと。 |
ツカサ |
司 |
祭事に携わり御嶽を守る神役。地域の中高年の女性の中からくじで選ばれたりする。宮古諸島ではサスとも呼ぶ。 |
トートーメ |
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位牌のこと。沖縄では比較的近世になって用いられるようになった。 |
ナカムーチ |
仲持ち |
ユタが神懸かりになったときに客に対して媒介者になるサニワ的な人。 |
ニライ・カナイ |
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海の彼方にある根の(根の国)の意味。海の彼方(底)にあると信じられている理想郷。死者の魂の行くところ。古くはニルヤ・カナヤと呼んだ。伊江島ではニレ、マヤ、竜宮とも呼ぶ。 |
ネガミ |
根神 |
久高島では、ノロ(祝女)の下の補佐的な神職のことをこう呼ぶ。 |
ノロ/ヌール |
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祝女。祭事に携わる最高神職の女神官。琉球王朝時代には、聞得大君(きこえおおぎみ)を頂点とするノロの組織ができた。世襲制だが、王朝時代は国から任命された。久高島のように祭政一致の性格が強い地域では、ノロは政治的にも最高の権威をもつ場合が多かったという。 |
ヒヌカン/ウカマ |
火の神 |
台所に祀られる三個の自然石をよりましとする家の守り神。沖縄諸島と奄美諸島で信仰されている。元々はカマドそのものを拝んだ。女性が嫁ぐ場合には火の神をもらって行くという風習がある。ニライカナイと呼ばれる海のかなたの神の国に起源があるとされる。土地によっては「 |
マブイ/マブヤ |
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人間の霊魂のこと。 |
マブイウトウシ |
魂落とし |
事故のショックなどによって、マブイ(魂)が肉体から離脱した状態のこと。 |
マブイワカシ |
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死者とのお別れの儀礼。死後49日目に行われる。 |
ムンスリ/ムヌス |
物知り |
民間の霊能者のような存在。ユタと同じような意味で使われる。 |
ユーザス |
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宮古諸島で司と組んで御嶽を守り祭事を行う神役。司より地位は低いが、司は霊能力がなくてもなれるのに対し、ユーザスは神懸かりになれる人でなければならない。 |
ユタ |
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沖縄・奄美諸島に古来から存在する民間の巫女・霊能者。カミンチュ、ムヌスンなどとも呼ばれる。神と対話して運勢判断したり、死者の口寄せ、先祖事などの霊的相談に応じる。女性である場合が多い。
琉球の歴史を通じて蔑称とされることが多いので、本サイトではカミンチュという言葉を使用する。 |
ユタマンチャー |
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金儲けなどのためにユタまがいの行為をする偽者のユタのこと。 |
カンダーリー |
神垂れ/神倒れ |
巫病。神懸かりになった状態のこと。普通の人がユタになる課程で体験する。 |
竜宮 |
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伊江島では、海の原郷ニライ・カナイと同じ意味で使われる。 |