今日8月15日は終戦記念日。
そもそも「記念日」というのは祝うべき日のみに対して使うのではないかと、違和感を覚える人もいるようだ。
「敗戦記念日」も同じだろう。
今日は朝から酷い頭痛で、いま(23時)現在も完全に収まっていないが、これだけはどうしても書きたいので。
今日の戦没者追悼式の天皇陛下と安倍首相のスピーチで、愕然としたことがあるからだ。
上に書いた「記念日」について、もっと言うならば、日本に占領されていたアジア諸国は、その後に独立を果たして、本当に「記念日」だったのだ。
たとえば私が1年半ほど住んでいたインドネシアでは、8月17日が「ハリ・ムルデカ」つまり独立記念日だ。
全国戦没者追悼式でのお言葉
日本が第二次世界大戦で敗戦してから72年を迎えた。
その今日8月15日、全国戦没者追悼式が日本武道館で行われた。
天皇、皇后両陛下と安倍晋三首相のほか、遺族約5700人が参列した。
天皇陛下はお言葉で、2015年の戦後70年から新たに加えられた「深い反省」というお言葉を使われた。
今回のお言葉は、天皇陛下自らが手を加えられたもので、そのようなことがこれで2回目という。
よほど「訴えたいこと」があったのかもしれない。
天皇陛下のお言葉は、下記のように結ばれた。
ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことをせつに願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対して、心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります。
これに対して、安倍首相のスピーチでは、日本が占領したアジア諸国への加害責任については触れず、また天皇陛下とは異なり「反省」の言葉もなかった。
首相が画策する改憲は、日本を「戦争ができる国」へと変えようとしていると言われる中で、「平和」の言葉も虚しく響く。
しかも、広島と長崎の原爆の日には、式典の挨拶の言葉をほとんどコピペで使いまわすという心のこもっていない行動を示した。
首相にとっては、よっぽど「どうでもいいこと」と思っていると取られても仕方ないではないか。
なんという対象的な態度だろうか。
思わず、松原照子氏が30年前に著書で書いた「恐怖の男・安倍氏」の言葉が脳裏に浮かぶ。
恐怖の男・安倍氏は、男に生まれながら男人形として、日本の名で世界を歩くでしょう。『はい、わかりました』、この言葉をためらわず言える政治家は生き、少しでも躊躇した政治家に、いい役が回ることはありません。
その人こそ、わが国が『戦争』の言葉を身近に感じる流れを作る人物であり、操り人形です。政治家たちのランクを、国民1人ひとりが見極め、日本の国のために命を捧げられるほどの人間選びをしなければ、草も口にできなくなります。
日本会議
話は変わって、康芳夫(こうよしお)氏と苫米地英人氏の対談が、昨年TOCANAに連載で載った。
康氏はプロヂューサーであり、自称「虚業家」。
苫米地氏は説明不要の、サイゾーのオーナーでもある。
世界の裏まで知り尽くしたといった趣のあるお二人の対談は、非常に面白い。
そこで、苫米地氏は日本会議の話題に関連して、次のように語る。
日本会議も安倍さんもわかってないんですよ。“強い日本をもう一回復活させたい”“最低でもアメリカと対等に戦えるぐらいの国にしたい”という論理の一方で、日本をハンドルするのが得意なテクノクラート(高級官僚)に完全に骨抜きにされて、実際は天皇陛下を思いっきりないがしろにした改正憲法に変えている。
僕は、天皇陛下の今回の『生前退位』というご意向は、“あの新しい憲法の発布者になりません”って、意思表示だと思ってますからね。まず、“天皇陛下をないがしろにしてる”し、その前に、“戦争やる”って言ってるし。
これに対して、康氏はこう返す。
あれははっきりいって、安倍内閣に対する、《天皇を中心とした皇室のクーデター》です。天皇はいま内心大変怒ってるわけ。天皇陛下がこの状態を続けると憲法9条の改正が、できなくなっちゃう。だから、安倍さんは天皇のご発言を1回限りのものにしてそれ以上は阻止したわけですよ。しかも、自分の言うことを聞かなかった宮内庁長官をクビにして、新しい人物にすげかえた。さらにNHKを押さえ込んで、報道もコントロールしちゃったからね。
たしかに。
日本会議って、あれほど極右なのに、なんで天皇陛下の意に反する方向へ動くのか?
天皇はあくまでも「象徴」だからこれ以上は言えないけれど、安倍首相が向かおうとしている「反平和」に、非常に憤られているようだ。
私はその後の苫米地氏の考え方に必ずしも同意するわけではないが、上に引用した部分だけは納得する。
本題からはずれるが、苫米地さんはTOCANAが好きで、よく読まれているとか。
私が書いた記事は…どうかな?
読まれたら恥ずかしいのも中にはあるからな。^^;
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