今日TOCANAで、私が執筆した記事が掲載された。
題して『【衝撃】中国・四川のチャン族は古代イスラエル「失われた10支族」の末裔で日本人の兄弟だった! 日ユ同祖論の核心に迫る!』というもの。
本当は四川大地震の10周年のタイミングで5月に書いたのだが、事情があって掲載が今になった。
日ユ同祖論
日本でこの分野に関心がある人々の多くは、「日ユ同祖論」という言葉を何の疑いもなく認めているようだ。
だが、私はそもそもこの根本的な命題自体が受け入れがたい。
「日」(日本人)と「ユ」(ユダヤ人)が「同祖」である可能性は、ラクダが針の穴を通るよりも難しい確率だと思っている。
DNDなど最新の科学的技術を用いた「日本人のルーツ」探しでは、そもそも日本人は単一民族ではあり得ないという結果が出ている。
なので、必然的に「日ユ同祖論」の命題は崩れ去るのだ。
この種の説や本はイヤになるほど怪しくいい加減な命題を扱ったものが多く、辟易する。
だからといってスルーするのも一つの知識不足の故かもしれない…ということは考えてみた方が良いかもしれない。
「狭き門より入れ」
こうして書いたように、チャン族が古代イスラエル10支族の末裔である可能性は、十分に真剣に検討する価値があると思われる。
AMISHAV(アミシャーブ)の言説は、はっきり言って知識不足・時代考証不足などが見られ、代表の著書も鵜呑みにしないことが大切だ。
「日ユ同祖論」を信じる人には、「初めに結論ありき」な人が非常に多いように思われる。
たとえばこの種の本を多く書いているある人物は、じつはキリスト教系の新興宗教の信者であり、最初からそういう説を「信じたい」という気持ちがあるがために、アヤシイ説も無批判に書いたりしているのではないかと思えてくる。
また、政治思想的にも「はじめに…」な人が多いことも、いうまでもない。
あらゆる人類をすべて平等に扱うことは非常に難しいが、それこそがこのような困難な探求には絶対必要なことではないだろうか。
そういう取扱注意な本を取り除き、あるいは怪しい言説のみを取り除いて読んだりするような「見識」が非常に重要になってくる。
本当に「狭き門より入れ」だ。
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